未曾有とも想定外とも
幾度となく謳われた、2011.03.11 の大震災。
その大きな揺さぶりは、
暮らしにも多大な揺らぎをもたらした。
痛ましいほどの悲しみ。喪失。気づき。変化。
震災後のこれからの生活においての学び。
今回の 「暮らしの備え・対策部」。
お迎えするのは、生活リスクアドバイザー・保険コンサルタントの
尾崎 里佳さん。
地震活動期といわれる昨今、
そして予期せぬ、竜巻や落雷などの天災。不意に起こる事故。
この日は、暮らしの中に想定されるリスク、それらに応ずる備えに
ついてのお話しを。
ご参加された方々からも、震災時や過去の日常で実際に起こった
事のお話しもいただき、
「こういう時は、どうしたら?」「こんな状況なら?」と、
さまざまな疑問への応答や、意見交換が。
「これからの時代、自分の身、たいせつなものは自分で守るもの。
そして、'知っている’と '知らない'ことでは、大きな違いが。」 と、
尾崎さんは、話されました。
震災より、1年5ヶ月を経て。
地に脚がついてきた感も、緊張感の緩みも抱く。
改めて、背すじを伸ばすような想いで。
ご参加の皆さま、尾崎さん。
学びのひとときを、本当にありがとうございました。
2012.08.23 |
| 百花市
身を囲む世界は
広く 高く 深く
多彩に、多面的に。
視線の先に映すものは
映されているものは
伸ばした指先が触れ得るものは
house publishing さんに、あらためまして今の想いをお伺いしてみました。
◇ 風土市・第九座 ・「 house publishing さんに、きいてみる。」
Q: housepublishing さんは、日々、どんなもの・ことを手がけられていますか?
- デザイン全般、それから授産施設での授産品デザインに取り組んでいます。
ダンボールを使ったものづくりが好きです。古い調理器具なんかも好きです。
Q: その手仕事をはじめられたのは、どのような想いやきっかけからですか?
- 難しい質問なので、書きながら考えます。
よくある現代批判になぞらえて考えてみたいとおもいます。
「現代人は、果たして本当に豊かになったのだろうか?」そう問い直してみる
ところから初めてみましょう。
一部富裕層を除けば、日本国民の生活なんて、平板なもんです。
ここでは、現代の平均的日本人像を「現代人」と呼ぶことにします。
現代人は、洗濯機で洗濯することができる。
現代人は、スーパーやコンビニで食品を買って、システムキッチンで料理する
ことができる。
現代人は地デジテレビでスポーツを観戦して、冷蔵庫で冷やしたビールを飲む
ことができる。
現代人は車を運転して、好きなところに行くことができる。
現代人は、ケータイで情報を検索したり、友達とコミュニケートできる。
非常に便利なものです。
つい昨年の大震災直後の生活を思い起こせばこれらの文明が、わたしたちの
生活をいかに楽にしてくれていたか、想像に難くありません。
しかし、その「便利」はタダではありません。すべてに値段がつけられ、それを
得るためには、自分の時間を削って、お金を稼がなくてはなりません。ちなみに、
そのお金を稼ぐ方法は、戦前までは「生業」というのがあって、主に家業を継ぐ
ことで、人々は各々の仕事とそれに伴う地位に就いてきました。しかし、戦後
人々はGHQとその憲法によって、「自由」を手に入れました。
職業選択の自由、恋愛の自由、とにかく自由!……それらの「自由」に人々は
はじめ困惑しましたが、徐々に手を染めていきました。これらの「自由」のもと、
人々は好きなライフスタイルを思い描くことができるようになりました。
好きな仕事でお金を稼いで、好きな物を買って、好きなように生活したい。
戦後の高度経済成長は、そのような欲望が人々に活力を与え、その活力は人々に
新たな欲望を喚起しました。その循環の繰り返しの延長線上に、今の、現代人の
生活があります。現代人は未だに過去の習慣に憑りつかれたように、「欲しいもの」
を探し求め続けます。そしてそれを買うために懸命に働いています。
決して「もう欲しいものはないんじゃないの?」なんて疑ってはなりません。
なぜなら、疑ってしまうとその瞬間から、せっかくの良循環が崩れてしまうからです。
皮肉でもなんでもなく、この状況こそが資本主義社会の効能であり、最高到達点です。
しかし「実は、豊かになったのは、その循環維持のためのシステムの複雑性であり、
我々の生活の豊かさそのものは、ずっと変化していない、もしくは低下しているのでは
ないか?」
更にいうならば、「そういうことに気づくことが許されないまま、現代を生きなければ
ならないのが、現代人なのではないか」こういう疑念は尽きないわけです。
これは、もしかしたら余裕のある現代人だからこそ言える戯言なのかも知れません。
実際に「戦前/戦後」の時代を生き抜いてきたわけでもない人間にとって、このような
疑問は推測の域を出ないからです。
しかし、現代人にはこのことについて考える続ける権利があるとおもいます。
そこで私は「システム」の中にいながら、「システム」の外を見る方法を考えました。
今の仕事をはじめたのは、そんな想いがきっかけになっています。
例えば、ダンボールからものをつくる、ということをやっています。
この取組みによって、震災直後、ダンボール製の間仕切りや家具が被災地で活用
されましたし、それらは人々が正常な生活に戻っていくときに、捨てられていきます。
これは喜ばしいことです。
また、ダンボールで防音室をつくったり、ダンボールを用いたものづくりに関する
世界中の情報を集めて、メールマガジンを発行する、といったこともしています。
ダンボールには不思議な魅力があります。
製品として生み出された瞬間から、捨てられることが想定されている。いわば生まれ
ながらのゴミみたいなものです。それでも、それには立派に値段がついて、「システム」
の中の市場を悠々と流れてゆく。
捨てられたダンボールは、リサイクルされて再びダンボールになります。
まるで不死鳥のようですね。この素朴なサイクルに触れていると思うだけでも、私には
気休めになります。エコかどうかという議論は抜きにしても、このダンボールの性質は、
「経済的特質」でもありながら「システム」の外に少し繋がっている気がするからです。
Q: 1年前(前回のご出展時)から、手がけられていることや想いの変化はありますか?
- あります。
が、今はまだ「震災」という大きな文脈の只中にあるので、想いの変化を自分の枠の
なかでうまく説明することができません。
Q: housepublishing さんの手仕事に触れられた方に、伝えたいこと・届けたいことは、
どんなことでしょう?
- その手仕事です。
Q: これから手がけていきたいことは、どのようなことですか?
- まだうまく言えません。
◇ house publishing
http://www.housepublishing.jp/
・ダンボールは小銭入れにもなる

・ダンボールで吸音材を作って、防音室を製作
2012.08.20 |
| 百花市
日々の中に
やわらかな蕾が花ひらくような
あたたかな陽だまりが訪れるような
手のひらから紡がれる、
笑みうまれる 小さな非日常。
毎日を楽しむ小さな装飾を手がける、ゆきのひ さんに、
その想いをお伺いしてみました。

Q: ゆきのひさんは、日々、どんなもの・ことを手がけられていますか?
- じぶんのまわりの人々に、喜んでもらえるような小さい何かを縫ったり編んだり
しています。
Q: その手仕事をはじめられたのは、どのような想いやきっかけからですか?
- まわりの人にプレゼントやお土産を渡すことがもともと好きで、作ったものをあげた
ときにもっと喜んでもらえたことがきっかけです。
Q: ゆきのひさんの手仕事に触れられた方に、伝えたいこと・届けたいことは、
どんなことでしょう?
- それを身につけることで、話題のきっかけになったり、見つけた人がにやりとしたり…、
小さな笑いを届けられたらうれしいです。
Q: これから手がけていきたいことは、どのようなことですか?
- 生活の中に小さな一つの楽しみ、おかしみを提供出来たら良いなと考えています。
2012.08.17 |
| 百花市