上杉農園 樹の下 さんに、きいてみる。その2
育みの根は大地の中に留まらず、
その根は人のあたたかさ・つながりへと、はり巡る。
枝葉は、やさしく広がりを見せる。
風土市にご出展いただく、上杉農園 樹の下 さんの想う 「 今 」 を、お伺いしてみました。
◆ 風土市・第一座 「上杉農園 樹の下 さんに、きいてみる。 」
Q : 震災後、「つくる」「食べる」ことに意識の変化はありましたか?
- 私のつくるものは生きて行くのに必ずしも必要なものではないかもしれません。
でも震災直後、作らずにはいられませんでした。
食料が足りない中、農家である私たちはりんごを煮たり、おにぎりを作って出しました。
何か食べたいものがあったら作るので教えてくださいと声を掛けましたが、
「食べたいけど贅沢できないから…」「みんな同じように我してるから…」と言う方が多く
いました。混乱しているからこそせめてたべものでほっとしてもらいたいと思いました。
知り合いのおばあちゃんが粉やバターを家から探してくれてこれで困っている人に
沢山お菓子作って!と手を握りしめてくれたり、東京でお世話になったお菓子屋さんが
材料や大切なレシピを送ってくれたり、関西の友人も材料を送ってくれました。
この人たちの気持ちも一緒に届けるのが私のやるべき事だと感じました。
今までお菓子は少しお休みしていたのですが、また自分なりにできるものを作りたいと
いう気持ちが強くなりました。
Q : 最近、触れたおいしいものや情景があれば、教えてもらえますか?
- 震災直後、祖母が火の番をして薪と羽釜で炊いたごはんはピカピカ光っていました。
薪を焼べたり釜をあげるタイミングは久しぶりだっただろうけど長年の感覚。静かだけど
強く凛々しい姿でした。
2011.05.20 | | 風土市